素描家しゅんしゅんさんの原画展は明日(22日)まで。
原画はやっぱり違う、とお客様に楽しんでもらえていてとてもうれしい。線のタッチ、インクの色、紙の種類、その色。絵も文も、素描集に収められているものと同じだけれど、壁に掛けられた原画と向き合うと、なんだか違ってみえる。きっとその作品の向こうに人がいるのだと思う。しゅんしゅんさんがいて、その向こうに店の空気が流れて店主がいる。原画のサインの横に記された年の、その時に遡って出会うような。
2013年にしゅんしゅんさんが徳島に訪れてくださったときにuta no taneも素描していただいて、その原画が展示され、素描集にも収めていただいているのだけど実を言うと、自分の店の素描を、未だに直視できないでいる。
しゅんしゅんさんにも言ってないのだけれど。笑ほんとはDMに自分の店の素描を載せるのは気が引けていた。
素描になった自分の店を初めて見たときからうれしさとか気恥ずかしさとかでもやもやしている。その原因をずっとずっと考えていたのだけれど、昨日の夜にふと気づいた。2013年の自分がいるのだ。
このとき、どんなものが店にあって、どんなことを考えていて、どんな話をしていたのか。しゅんしゅんさんが描いたのは、わたしではなく、店なのだけど。店の細かなところまで、ちゃんと線になっている。
その感覚は写真とはまた違っていて、自分が浮き出ているようで気恥ずかしくなる。
同時に、その一本一本の線から、uta no taneというかたちになっていることに、感謝の気持ちで泣きそうになる。
『主の糸』
主の糸と書いて素になる
主の糸から素が生まれる
店主が素と向き合って一つ一つ丁寧に生み出した空間は
まるで繭のように愛おしく美しい
—— しゅんしゅん
uta no taneを描いてくださって
ありがとうございます。
2年後か、3年後か、もしよければまた、uta no taneを素描してください。
そのときには一本一本の線をちゃんと胸を張って、確かめられるような、もっといい店になっておきます。
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[イベントのお知らせ]
2/7(土)〜2/22(日)
素描家しゅんしゅん「主の糸 nushi no ito 三十六の素描の旅」原画展
3/14(土)〜3/29(日)
イラストレーター wassa「オノマトヘア」原画展
[営業日について]
毎月の営業日はホームページやFBページなどでご確認ください。